開業医向けの事業承継対策

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クリニック(診療所)の事業承継(継承)

  • 高齢化が進む医療従事者層

    日本では、医療従事者の高齢化が進んでおり、特にクリニック(診療所)を経営する医師の多くが60代から70代に差し掛かっています。全国的に見ても、地域に密着した医療を提供している個人開業のクリニック(診療所)が多数あり、その経営者の多くが近い将来引退を考え始めているという状況です。

    昨今、クリニック(診療所)の事業承継(継承)は、避けて通れない課題として急浮上しています。さらに、医療の継続性が地域医療の安定に直結するため、承継(継承)のタイミングが極めて重要になります。特に地方の小規模クリニック(診療所)では、承継(継承)がうまくいかない場合、地域の医療サービスに大きな穴が生じてしまうリスクがあります。

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  • 医療機関特有の承継(継承)の難しさ

    クリニック(診療所)の事業承継(継承)は、他の業種と比較して特有の難しさがあります。まず、医療機関を承継(継承)するためには、「後継者が医師免許を持っている必要がある」という法的要件が大きな壁になっています。単純に親族や従業員に事業を引き継ぐことが難しいため、後継者をどう育成するか、あるいは外部から医師を招くかを早い段階で検討しなければなりません。

    また、クリニック(診療所)は経営者である医師の「個人の技量」や「人間関係」に依存する部分が大きく、患者や地域との信頼関係を維持することも重要です。後継者が地域の医療ニーズや患者の期待に応えられない場合、患者が離れていってしまうというリスクがあります。

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  • クリニック(診療所)の経営環境の変化

    現代の医療業界は、経営環境が急激に変化しています。例えば、医療技術の進歩や診療報酬制度の変更、医療費の抑制策などが影響し、クリニック(診療所)の収益構造が大きく揺らぐことがあります。市場が劇的に変化する中、クリニック(診療所)経営者は柔軟かつ長期的な視野で経営を見通す必要があます。

    特に、次世代に事業を承継(継承)する際には、新しい医療技術や経営戦略に対応できる能力が求められます。クリニック(診療所)の後継者が、これらの新しい経営課題に対処できるようにするための準備が、早期から必要になります。

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  • 相続税や資産継承の問題

    クリニック(診療所)を承継(継承)する場合、経営資産や不動産をどう引き継ぐかという相続税対策も重要なポイントです。特にクリニック(診療所)が所有している不動産や医療機器など、事業資産が高額になることが多く、相続税が多額になってしまう可能性があります。

    これに対する対策が不十分だと、相続時に多額の税金が発生し、後継者が経営を引き継ぐ際に財政的な負担が大きくなります。また、複数の相続人がいる場合には、後継者に資産の多くが配分され、後継者以外の相続人との不公平感が残るケースが多いです。このような資産分割の問題を解決するためにも、税法や民法なども考慮した事業承継(継承)計画が求められます。

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  • 地域医療の継続と安定性への貢献

    クリニック(診療所)の事業承継(継承)は地域医療の安定にも直結します。特に、地方や郊外ではクリニック(診療所)が唯一の医療提供施設であるケースも多く、クリニック(診療所)が閉院すると地域住民が医療サービスを受けられなくなります。

    地域社会における医療の担い手としてのクリニック(診療所)の役割は非常に大きく、その継続は地域医療全体の安定に欠かせません。クリニック(診療所)の事業承継(継承)は、単に一つのビジネスの継続にとどまらず、地域住民の健康を守る重要な要素でもあるのです。

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事業承継(継承)対策をしない場合のリスク

  • クリニック(診療所)の経営が不安定化するリスク

    経営者が病気や事故などで急に診療できなくなった場合、後継者が不在だとクリニック(診療所)の経営がすぐに停止する可能性があります。計画的な承継(継承)がないと、診療を継続するための対応が遅れ、患者に迷惑をかけるだけでなく、経営が立ち行かなくなる危険性があります。

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  • 後継者不在のリスク

    事業承継(継承)計画が遅れると、適切な後継者を見つけるのが難しくなります。特に医療機関の場合、医師免許を持つ後継者が必要であり、資格やスキル、さらには経営能力を持つ人物を見つけるには多くの時間と準備が必要です。

    後継者が確保できない場合には、最悪のケースはクリニック(診療所)を廃業するしか選択肢がなくなる可能性もあります。また、承継(継承)計画がないまま後継者に引き継いだ場合、後継者がクリニック(診療所)経営や診療の実務に不慣れであれば、経営がスムーズに進まず、患者やスタッフの混乱を招くことがあります。

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  • 相続税負担の増加リスク

    事業承継(継承)を計画的に行わないと、クリニック(診療所)の資産(建物、土地、医療機器など)が相続税の対象となり、多額の税金が発生することがあります。 相続税の対策が不十分だと、後継者が多額の税金を支払うことになり、経営の引き継ぎが困難になる場合があります。

    また、複数の相続人がいる場合、事前に対策がされていないとクリニック(診療所)の資産をめぐって相続争いが発生する可能性があります。不動産や現金などの分割が難しい資産が多いため、争いが起きると経営に大きな悪影響を与えることがあります。

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  • 従業員のモチベーション低下と退職のリスク

    事業承継(継承)が不透明なままだと、クリニック(診療所)の従業員や医療スタッフに不安感が広がり、モチベーションが低下することがあります。特にクリニック(診療所)の将来が不安定であると、優秀なスタッフが他の職場に移る可能性が高く、これにより診療体制が崩れ、経営がさらに悪化することが考えられます。

    また、突然の経営者交代や、十分な引き継ぎがないままの事業承継(継承)は、従業員に混乱をもたらします。新しい経営者とスタッフの間で信頼関係が築けず、診療の質やサービスが低下するリスクがあります。

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  • クリニック(診療所)の廃業リスク

    適切な事業承継(継承)対策を講じなかった結果、後継者が見つからず、経営者がリタイアせざるを得ない状況に陥ると、クリニック(診療所)を廃業するしかなくなります。廃業によって患者や地域社会に大きな影響を及ぼし、クリニック(診療所)が提供していた医療サービスが途絶えてしまいます。

    その結果、長年築いてきたクリニック(診療所)の信頼やブランドが、承継(継承)計画の不備によって一瞬で失われることとなります。特に地域に根付いたクリニック(診療所)では、閉院や後継者選びの失敗が地域全体の医療サービスに悪影響を及ぼします。

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service 開業医向けの事業承継・相続対策

事業承継対策

高齢化する医療従事者層、後継者不足、相続税対策、経営環境の変化など、承継(継承)計画の必要性とリスク回避の方法を紹介します。

相続対策

相続税対策、医療法人化のメリット、資産価値の評価方法、遺言書の重要性の他、節税のための具体的な対策とリスク回避方法を紹介します。

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